060145 ランダム
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the Dog Whisperer(2)

その1 その2


KEY9. The Sense of the Canine

人間の脳は多くの部分から成っており、イヌより多くの機能で非常に複雑になっています。しかしながら(私たちと比較すると)イヌの脳の大部分は聴覚と嗅覚の感覚に使われています。


Listen Here
イヌの聴覚は人間よりはるかに優れています。聞く能力はすばらしいものです。きわめてよく聞こえるというばかりではなく、ほんの些細な音の変化でも鋭い正確さで見分けることができる。

オオカミを祖先に持つイヌの聴覚はとても敏感なので、何キロも離れたところから4万CPS(cycles per second:毎秒サイクル)までの高い音でもはっきりと聞き取ることができる。人間の耳では2万CPSまでの音しか聞き取ることができない。この能力は野生の狩りの最中に役立っており、オオカミはネズミのようなチューチューと高い音で鳴く小さな獲物の泣き声も聞き取ることができる。イヌの聴覚は人間よりもおよそ4倍優れていると言われている。つまり私たちが聞くことができる距離の4倍離れている音を聞くことができるということである。

最近こんな女性のクライアントがいた。彼女の牧畜犬ボビーは、彼女の夫が家に帰ってくるとき、窓のところへ行き、鼻でカーテンを押しのけて顔を出して、いつも彼女に知らせてくれる。この2,3分後、実際に彼女に夫が家に到着する。夫が帰ってくるとボビーが最初に感づいたとき、彼女は夫がいつもの通りのところにいると推測した。もっと信じられないことに、彼女たちは数分おきに車が通るようなにぎやかな道路沿いに住んでいた。飼い主の車以外には、ボビーは決して窓のところには行かない。見たところ、何キロも離れたところから飼い主の車の正確な音に気づいているようだ。

多くのクライアントたちが同じような出来事に遭遇しているように、あなたもこのようなことに覚えがあるだろう。


Dogs with Taste
食事にうるさいイヌを飼っているクライアントたちは、犬の食欲を刺激するために努力して定期的にドッグフードの種類を変えているとよく言います。しかしながら、その人たちはこれはあまり効果がないと認めています。これは私には驚くことではありません。なぜならイヌの舌には私たちのように味蕾(舌にある感覚器官)の量は多くはありません。私たちの量の3分の1以下であるという研究結果もいくつか出ています。イヌは主に匂いと舌ざわりによってエサに興味がわくものだと私は思っています。もしイヌ好みの匂いと舌ざわりの食べ物ならば、イヌはそれを食べるでしょう。イヌにとって味というのは、あまり重要な要因ではありません。

狩りをすることで生活をしてそれをあさって食べる野生のオオカミにとって、どんな味がするかというよりも、実際どのくらい食べたのかの方がより重要である。

イヌはしばしば自分自身の排泄物を食べることがあるでしょう。なぜこんなことをするのか誰もが疑問に思うでしょう。しかしその意図するものはそんなに多いものではありません。不適当な食事、もしくは注意を向けるための行動(attention seeking)でしょう。自然界もまたそれにかかわっています。野生では母親オオカミ、また家庭犬ではパピーを持つ母犬は、住処をきれいに保つためにパピーの糞を食べるでしょう。しかしながら、糞の匂いと舌ざわりはまた、この種の行動に影響するものに関連していると私は感じています。

もしこんなことがあなたのイヌに起こっているなら、トイレをし終わった後すぐに糞を片付ける必要があります。また、タバスコやコショウのような強い物質で排泄物に撒き散らすようにしてください。こうすればこの問題は解決できるでしょう。

私たちには不快な臭いがする腐った骨を掘り起こし、それを噛んで食べる、まるでデリカシーのないようなイヌも中にはいるでしょう。子供の頃、ウマの糞の上で寝ることをこよなく愛する牧畜犬を飼っていて、よくそれを食べていました!その後フレンドリーにシッポを振って「ねぇ、僕を見て。僕ってすごくない?」と言わんばかりに見せびらかして、私のところへやってきて飛び上がっていました。軽快な足取りでビーチへ向かい、砂浜で見つけた最初に死んだ魚やかもめの上で転げまわるイヌがいました。そしてその飼い主はとても嫌になっていました。

この行動は家庭犬の祖先の背景に関係があると信じられています。オオカミは狙っている獲物から自分たちの匂いを隠したいときは、見つからずにそばまで行けるように動物の糞によく体をこすり付けます。

そうです。人間の観点からはイヌは変な味覚の性質を持っています。しかしながら、イヌの味覚や食事の必要性、行動心理学を理解すればするほど、イヌのしつけの知識を身に付けることができ、味覚に関する行動の問題を減らすことができます。


Wolves Smell the Roses Too UP (2006.8.21)
イヌのすばらしい利点はその嗅覚であるだろう。歴史を通じて、人間はイヌのおどろくべき嗅覚を利用してきました。それはなだれや地すべりで行方不明になった人たちの捜索から、警察や関税で不法のドラッグを発見するまでに至ります。日本では地震の後、行方不明者を発見するために大規模に利用されました。他にもたくさんのよく似た救助する状況があります。捜索犬は人間のパートナーと共存共栄して、絶え間なく何トンもの瓦礫で埋められた人たちを探すことが仕事で、信じられない嗅覚を持っています。

イヌは2億2000万ものレセプター(細胞表面にあって外来性の物質を認識する構造体)を臭いをかぎつける組織に持っており、それがすばらしい嗅覚の能力をイヌに引き出させいます。これは人間にはたった400万前後しか存在しません。イヌは約100万分の1まで希釈された臭いを嗅ぎ分けることができ、臭いの発信源をわり出すのに役立てるために、鼻孔を操ることができる。ブラッドハウンドや、さらに嗅覚をとても進歩させた形をした鼻を持った犬種によっては、行方不明の人々を追跡したり捜索するというような信じられない功績を残している。

イヌの嗅覚は彼らの祖先から自然に進化したものであり、というのは、たとえオオカミの嗅覚能力が目立っていたとしても、いくつかの犬種はこの特質をさらに高めるために長い年月をかけて選択的淘汰され、結果、オオカミよりもさらに優れた嗅覚を持つイヌが現れた。

鋭い嗅覚を持ったイヌを飼っていて本当によかったと思ったある出来事を私は覚えている。それは60年代半ばで、仕事を終えた後、私は初めて飼ったジャーマンシェパードのデュークを連れて、トレーニングをしようと地元の公園へ出かけた。いつもやっている日課のトレーニング-お座り、待て、ヒールをやり終え、たぶん1時間くらい経っていた。そして車に戻ったとき、私は車のカギをデュークのトレーニング中にこの広い公園の長く続いた芝生のどこかに落としたことに気づいた。

そのときは冬でまだ夕方の5時半だったけれど、すでに暗くなり始めていた。私は20分くらい自分でカギを探してみたが明かりが消えていく中で見つけることは難しくなっていった。イライラして「他に何を失くすべきなのだろう?デュークに手伝ってもらおう。」と考えた。

私はたった一回だけデュークに“seek back”という、臭いを嗅がせて物を回収するエクササイズをしていた。このエクササイズは能力にもよるが、習得するのにたいてい数ヶ月かかるので、たった一回の練習だけでは私はよい反応を期待していなかった。しかしながら前に言ったように、私はもう失うものは何もない。

そこでデュークの鼻に私の手をあてて私の臭いを覚えさせて、失くしたものを探すようにデュークに合図を。そしてデュークを放した。彼は行ったが、もうすでにとても暗かった。デュークの背中はほとんど黒に近いので、彼の姿を見るのはほとんど不可能だった。約3,4分後、私の期待をよそに、彼はカギを持たずに戻ってきた。しかし私はまだ諦めてはおらず、家までの長い道のりを歩くか、明日まで何もせずに待つか二者択一であった!そこでもう一度デュークに探すように合図を出し、暗闇に彼を行かせた。

私はうんざりするほど長い時間待つかと思ったが、実際はたったの7,8分後、デュークが私の方へ向かってシッポを振り、目を光らせながら戻ってくるのが見えた。そして何やら“チリンチリン”という音が聞こえた。驚いたことに、デュークは暗闇の中で、私たちのイヌが持つ目だった嗅覚で、広い公園の長く続く芝生の中で小さなカギを見つけ、人間のパートナーのところへ戻ってきたのだった。

私はデュークの信じられない功績、特に失くした物を探すエクササイズをほんの少しトレーニングしただけで探してきたという事実を考えてみると、とても感動した。それは一生忘れることのない出来事となった。そうです、イヌは何千年もの間、人間のパートナーを助け続けている信じられない嗅覚を持っているのです。


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